2月26日礼拝メッセージ

                            

「遣わされる人としてのキリスト者」

聖書箇所「ルカ福音書6章12-16」

  メッセージ要約

 ルカによる福音書が記す、イエスさまによる12人の弟子の選び出しは、マタイやマルコの記事とは大きく異なります。マタイは、12人の弟子が呼び出させた理由について、汚れた霊に対する権能を受けて、汚れた霊を追い出し、あらゆる病気をいやすことにあると記しました(10章1〜)。マルコも同じ様に、12人の弟子の宣教活動のために、悪霊を追い出す権能を持たせるためと述べました(3章13〜)。

 ルカの記述は、イエスさま山に登って徹夜で神に祈ったことにあります。この行動は旧約時代のモーセの行動を思い出させます。モーセシナイ山に登り神と対面しています。モーセは神から契約の書として知られる律法を授けられて山を下り、12の部族にちなんで12の石の柱を立てました。そこで雄牛を全焼の献げものとし、会食のいけにえを献げて血を祭壇に振りかけ、民はモーセの言葉に聞き従うと誓ったので、残りの血を民に振りかけた出来事がありました(出エジプト24章)。これをシナイ契約と呼びます。その後、モーセは70人の長老と共に山に登り、神を仰ぎ見ました。

 イエスさまが山に登られて祈った行為は、単に弟子たちに特別な権能を授けるためではないとルカは述べたのです。山に登った弟子たちの中から12人が選ばれ「使徒」と名付けられました。この使徒というギリシャ語は「遣わすこと」を意味する動詞に由来します。そこから「遣わされた者、使者」という意味になりました。ルカの福音書には6回、使徒言行録では28回も用いています。他の福音書には1回か2回しか出てこない名前です。イエスさまがご自分の宣教の働きの使者として12人を選んだのは、イスラエルの12の部族を象徴するだけではなく、真のイスラエルとしての神の民を造ろうとした意図を示していると思われます。イエスさまの宣教の使命は、単に悪霊の追い出しや人を癒すことではなく、新しい神の民を作ることであり、その方法こそ、イエスさまの血による新しい契約にあるとルカは記すのです(22章14〜)。私たちもに使徒のように、その使命が与えられているのです。     

Copyright © 安城キリスト教会All rights reserved.
Designed by 安城キリスト教会