8月11日

 

「暗黒の夜に訪れる救い」

聖書箇所「使徒の働き23章26〜35」

  礼拝メッセージ要約

 エルサレムの議会で弁明する機会を与えられたパウロは、「私は死者の復活という望みのことで、さばきを受けている」(23章6)と述ぺました。議員にはサドカイ派に属する人とパリサイ派に属する人がいて、パリサイ派はパウロの主張に同意しましたが、サドカイ派は「死者の復活も霊も天使も信じていなかった」ために議会は大混乱になりました。パウロは自分が置かれていた状況をしっかりと理解し、機転を利かして発言することでユダヤ人側の企ては失敗しましたが、ローマ政府に自分の身を託す方が安全な道だと考えたのでしょう。私たちも知恵を用いることの大切さを学ぶとともに、神の摂理を学びましょう。
 
 パウロがローマの兵営に連れ戻された夜、主がパウロの側に立って勇気づけました(23章11)。主の出現はまるで暗闇の中の希望の光といってよいでしょう。また、暗殺計画が発覚すると、兵士に守られたパウロは夜のうちにカイザリヤに移送されました。「使徒の働き」を読むとき、伝道や救いに関する大きな転換点を提供する場面に「夜」が出てきます。エルサレムにいたペテロや使徒たちはサドカイ派の人々によって留置場に入れられましたが、夜、主の使いが牢の戸を開いて彼らを取り出しました(5章19)。その後、使徒たちはエルサレムで大胆に主を証ししました。アジヤからヨーロッパに向けて進んだきっかけは、ある夜に見たパウロの幻でした(16章9)。パウロとシラスが伝道で訪れたピリピの町で、町の風紀を乱したという理由から監獄に入れられました。しかし真夜中頃、ニ人が祈りつつ賛美していると大地震が起こり監獄の扉が開き、みなの鎖が解けたという事件があり(16章25)、そこでピリピの看守ー家の救いが起こりました。

 ユダヤ人のー日は夜6時頃から始まります。夜は光に包まれた朝に向かいます。ユダヤ人との対決という暗黒・苦難の時を過ごし、兵営に戻されたパウロにとって、主の励ましを受けた夜は特別に慰めと希望を与えられた時となったことでしょう。主が味方として暗闇の夜に現れたことは、主の十字架の死から復活の命への希望と光を思い出させます。「光は闇の中に輝いている。闇はこれに打ち勝たなかった」(ョハネ1章5)。